祖母山→宮原→尾平→熊本→博多→東京

5月3日 7:30 祖母山9合目テント場

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祖母山9合目テント場は登山道も兼ねている。

そのためテントを撤収しているときも登山者が挨拶をかけてくる。

撤収してすぐに歩き出す感じが、わりといい。

風邪の具合は回復したが、鼻水が完全には治っていなかった。

下山には十分な体調であった。つまり、もう縦走は終わったようなものであった。





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宮原登山道はありきたりな道である。

途中で倒木があったので座って休んだ。

ティッシュを丸めて鼻に詰めて体を休めていると、主婦が通りかかり、「鼻血が出た?」と聞いた。

風邪で鼻水が止まらない。

一般道ではけしてありえないが山の道では自然に会話が流れる。

まるでこの世のものではない。




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突然ですが、あなたならどちらに進みますか?

A まっすぐ進む。
B 左に曲がる。


答え B


わたしは上の写真の道で直進した。

30mぐらい降りたところで踏み跡とテープがないのに気がついて引き返した。





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これだけ水が透明だと見とれてしまう。

透明すぎて写真には川が写らない。





5月3日 10:00 尾平

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あー終わったんだなぁ~って思った。





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登山口に到着して振り返る。

2010年 九州の山旅 傾山~祖母山縦走が終わった。

計画を成し遂げた。



一般道に出るまで少し迷った。

素直に車が見える場所に行けばそこが駐車場であったが、常識的な感が鈍っていた。

下山が終わると安心して地図を開かなくなる悪い癖がある。

簡易地図と現在地が合わない。

しょうがないので近くの建物に入って人に聞いたのだが、このオッチャンが見覚えある顔であった。

やまびこ宿の管理人とそっくりである。

同一人物ではないと思う。







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尾平鉱山バス停を探していたが、バス時間は過ぎてしまった。

バスは諦めた。同時に阿蘇山も諦める。

もうどうでもよくなっていた。足の疲労もあるし、縦走を成し遂げた充実感もある。

尾平鉱山バス停と、ほしこがinnは逆方向だと思っていたが、同じ場所である。

地図の見方に問題があった。


そうと知らずに逆方向に車道を歩いて行ったら、途中で車が止まった。

どこに行くのかと聞いてくる。

旅人を見ると珍しいので話しかけてくるのだと最初は思ったが、ここまで車で来ているということは登山客かも知れない。


ほしこがinnまで載せていくという提案を受けたが、逆方向なので断った。

あまり人に頼りたくないというのもあった。


時間はたっぷりあり過ぎた。

途中の木の柱に腰をかけて休んだりした。

ほしこがinnの敷地に入ったが、玄関に準備中の張り紙があったので芝生の上で待つ。


まだ午前11時である。

短編を開いて活字を追う。松本清張の書く文章は優れている。松本清張が好きなわけではないが、こういうチャンとした文章を読んでいると落ち着く。今回の旅で一冊の短編を読んだのは大きな成果だった。

普段は仕事で不可能である。できれば仕事を辞めたいと思っている。



12時ごろにキャンプの受付を行い、テントを張った。

場所はあまりよくなかった。たいていの人は施設の周りの芝生にテントを張っていたが、管理人は違反だといっていた。

テントの横でラーメンをやった。

施設内の風呂に入りに行った。祖母山の天然水を沸かしている感じである。

風呂は3人でいっぱいになるが、混雑はしていないのでいい風呂だった。




5月4日 11:00 緒方

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緒方町コミュニティーバスは緒方駅に到着し、300円を払った。

降りるとき運転手に話しかけられる。

「随分と長いことおりましたね(笑)」

「縦走に4日かかりました(笑)」

わたしを覚えていたようである。最後は言葉にならない無言の苦笑で呆れていたのが印象的だった。


緒方駅からの出る電車待ち時間が一時間以上あり博多まで特急を使った。

新幹線は博多まであるのかと思っていたら鹿児島~八代区間だけである。




5月4日 14:30 熊本

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熊本駅で乗り換える。

熊本の豚骨ラーメンを食べた。駅前にはラーメン屋が軒を並べているのかと思ったら一軒しかなかった。

ドーナツを買って、びっくり大福をお土産にかった。

びっくり大福とは、--たしかこういう名前だった--サツマイモの塊が入っている。



5月5日 14:00 自宅

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駅弁はあまり好きではない。

内容が貧弱なわりに高価であるのが欠点だ。

熊本でラーメンを食べる予定だったので特急の中で弁当を食べるのを我慢した。

だが、どうしても特急で弁当を買わせるだけの条件が揃ってしまった。

車内アナウンスで「とり天」という言葉にピンときた。

どこかで聞いた言葉だった。どこで聞いたんだろう?


わたしは家にテレビがないので、昼休みの食堂で聞いたんだろう。

大分では一般家庭では「鶏のから揚げ」をやらないらしい。その代わり、「鶏のてんぷら」が普通なんだと、言っていたのを思い出した。

そして大分では「とり天」の店が多いと聞いた。

それで「とり天」を覚えていたんだと思う。

今買わないと後で一生後悔することになる。帰ってからネットで「とり天」のキーワードを検索したところで何も解決はしないと思った。それが購入した理由である。



とり天弁当は家に帰ってから食べた。なんかこう、素朴な感じのする弁当だった。






あとがき



<ラーメン屋は優れた職業である、と思うときがある。

事業計画を事前に準備し、戦略があり、熟練の技があり、ねらい通り運営が出来ている。

高い品質を客へ捧げる心がある。

これだけのことを会社でやろうとしても上手くいかない場合が多い。

一般サラリーマンの仕事などラーメン屋には到底敵わない。


スポーツ選手やアイドル歌手は、なぜあの職業が成り立っているのだろう?

あの人たちは自ら堅い目標を設定したのである。

自分で決めた目標は、長い道のりであるにせよ、到達するまでに迷いがない。

自分で目標を決めなかった人は最後までやらなくてもいい人なので到達することはない。

両者は別人である。「やる人」と「やらなくてもいい人」である。



失敗してもいい仕事など、この世に一つもない。>



(完)

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